【車を高く売る方法】キズ・ヘコミがある場合は修理すべき?
車にキズをつけてしまったり、あるいはヘコませてしまった場合、いったいどうすればいいでしょう?
キズやヘコミの程度にもよりますが、まだまだ乗り続ける車であれば、多少お金をかけてでも修理したほうがいいかもしれません。
一方で、近々売る予定(買い換える予定)の車であれば、修理すべきかどうか悩むところかもしれません。
そこで、キズ・ヘコミのある車を売る場合に、査定額にどう影響するのか整理してみたいと思います。
キズ・ヘコミを直してから売ると損する?
結論から言うと、近く売る予定の車なら、キズ・ヘコミは修理せずに売るのが正解です。
たとえば、あなたの愛車に100万円の価値があるとします。
ですが、キズ・ヘコミがあるため、10万円の減額となりました。
結果、あなたの手元に残るのは90万円です。
一方で、車を売る前に、板金屋でキズ・ヘコミを修理したとします。
修理費用は10万円。
すると、あなたの手元に残るお金は、やはり90万円です。
- 修理しない場合 +90万円
- 修理する場合 +90万円
しかし、よく考えてみてください。
板金屋とやり取りする手間のコストはどうなるでしょう?
板金屋にしばらく車を預けるとして、その間の駐車場料金はどうなるでしょう?
さらに、板金屋が金儲け主義で、修理費用を20万円とかふっかけてきたらどうなるでしょう?
つまり、すぐ売る予定の車なら、キズ・ヘコミはわざわざ修理しないほうがいいです。
損するリスクが高いので、そのままの状態で売りましょう。
キズ・ヘコミ1箇所につきいくら減額になる?
キズ・ヘコミの評価については、日本自動車査定協会(JAAI)の「中古自動車査定基準及び細則」が参考になります。
ただし、プロの査定士向けの資料なので、一般の人が見ても意味がわからないかもしれません。
そこで、査定士ではない一般の人向けに、金額の「目安」だけざっくり説明します。
まず、小石が当たった程度の小さなキズ・ヘコミは無視してください。
パッと見でわからない小キズは減額されません。
一方で、パッと見てわかるキズは、1箇所につき2万円くらいの減額になります。
派手にこすって広い範囲にキズがついた場合は、倍の4万円くらいは覚悟してください。
落下物で屋根がヘコんだとかだと、さらに倍の8万円くらい減額されたりします。
塗装や板金ではなく、交換が必要となると、20万円くらいの減額もありえます。
ちなみに、JAAIの基準はあくまで目安です。
中古車買取店それぞれの判断で、実費ベースで減額されるケースも当然あります。
査定額に影響するキズ・ヘコミの大きさは?
キズ・ヘコミの大きさは、実際の査定の現場では、パッと見てパッと判断します。
ひとつひとつのキズ・ヘコミを、いちいちモノサシで測ったりはしないものです。
なので、「何センチから何センチまでがどうたらこうたら」といった説明は、現場的にはナンセンスといえます。
パッと見て、パッと判断するのが、査定士のスキルでもあるわけです。
とはいえ、だいたいの目安が気になると思うので、JAAIの基準で説明しましょう。
- (標準)1センチ未満
- (極小)1センチ以上カードサイズ未満
- (小)カードサイズ以上A4サイズ未満
- (大)A4サイズ以上
中古車業界では、1センチ未満の小キズは、あって当たり前という認識です。
だから減点の対象ではありません。
それ以上で、カードサイズ(対角線で10センチくらい)に満たない大きさで「極小」扱い。
それより大きく、A4サイズに満たない大きさだと「小」扱い。
さらに大きいキズ・ヘコミで、「大」扱いとなります。
特に減額が大きくなるキズ・ヘコミの部位は?
車を売るときに、大きく減額されてしまう「キズ・ヘコミの部位」というのはあるのでしょうか?
結論から言うとあります!
たとえば「ルーフパネル(屋根の部材)」は、大きく減額されやすい部位のひとつです。
なぜルーフパネルのキズ・ヘコミが大きく減点されてしまうのかというと、補修しにくいからです。
車の屋根の上の損傷なので、塗装するにも大変ですし、板金補修するのも大変です。
ましてや交換が必要となると、修理工場も嫌がるんじゃないでしょうか。
ちなみに、ルーフパネルを損傷するケースとしては、脱輪して横に転がったとか、上から物が落ちてきたとかでしょうか。
かなりレアケースといっていいかもしれません。
他には「リアフェンダー(後ろ横面)」を大きく損傷してしまった場合も、かなりの減額が予想されます。
先ほどのルーフパネルと同様に、「交換」を前提としてないような部材が損傷してしまった場合の減額が大きくなると思ってください。
キズ・ヘコミをDIYで修理すれば高く売れる?
DIYというのは、「Do It Yourself」の略で、「自分でやる」といった意味の言葉です。
専門家ではない自分が、見よう見まねでやってみるといったニュアンスがあります。
このDIYですが、車を売る前に、キズやヘコミが気になるからといって、DIYで補修しようとする人がいらっしゃいます。
ですが、結論から言うと、DIYでキズ・ヘコミの補修をするのはやめたほうがいいです。
仕上がりが悪いと、余計に減額されてしまう恐れがあるからです。
DIYで問題なくできるのは、パッと見でわからないような小キズの補修くらいです。
具体的には、市販のコンパウンドを買ってきて、キズとその周辺をゴシゴシと磨き上げるわけです。
このくらいなら特別なスキルは必要ないですし、キズも目立たなくなるでしょう。
コンパウンドの使い方
使い方は簡単です。傷の周囲を水洗いして、ホコリなど取り除いてから、液体コンパウンドを傷の周囲につけます。それを、スポンジなどでゴシゴシ磨くだけです。
コンパウンドはケチらずに、たっぷりつけてゴシゴシやりましょう。傷の場所だけではなくて、傷の周囲まで広めに磨いていくといいでしょう。しばらくすると、傷がほとんど目立たなくなってきます。
コンパウンドは、プロ並みの仕上がりを求めると、とても技術が必要ですし、奥深いものです。ですが、車の出張査定前に、ちょっとした小傷を目立たなくさせる程度なら、私たち素人でも簡単にできます。
やるとやらないとでは大違いです。気になる小傷がある場合は、査定前に目立たなくさせておくことをおすすめします。
キズ・ヘコミのある車を高く売る方法は?
じつを言うと、査定士は、キズやヘコミをそこまでじっくり見ていません。
というのも、査定士は次のように考えているからです。
- 事故車かどうかを見極める
- 相場価格をもとに買取価格を決めてしまう
- その買取価格になるように減点していく
査定士は、たとえば「事故車でなければ相場の7がけ、事故車なら相場の4がけ」といったゴールを最初から決めています。
そして、その値段より安くなるように、あれこれ理由をつけて調整していくわけです。
さらに、キズ・ヘコミの多い車なら、「このキズは大きいですね~」などと言いながら、価格を下げれるだけ引き下げていきます。
つまり、査定の現場では、査定士の主観で価格に幅が出てくるわけです。
だからこそ、鍵になるのは「信頼関係」です。
きちんと洗車・清掃をして、きちんとコミュニケーションを取って、あなたと査定士の間に信頼関係を築きましょう。
そうすれば、査定士の裁量で、すこし高く売ることができます。
【まとめ】キズ・ヘコミのある車を売るときの注意点
キズ・ヘコミがあると、「高く売るのは無理かも?」と不安になるかもしれません。
ですが、実際に車を売った人からは、「思ってたより高く買ってもらえました」なんて声もよく聞きます。
自分勝手に判断せずに、一度、プロの査定士に見てもらうことが大切ではないでしょうか。
ということで、このページでお話ししてきたことを、簡単にまとめてみましょう。
- キズ・ヘコミは修理せずに売る
- 1センチ未満の小キズは減点されない
- 大きいキズは1箇所数万円単位の減点
- 修理が困難な箇所は大きな減額に
- DIYでキズ・ヘコミ補修するのはNG
- 車を高く売るカギは信頼関係
キズ・ヘコミは車の「個性」といえるもの。
あなたと、あなたの愛車の、思い出が刻まれたものと言っていいかもしれません。
キズやヘコミがあるからといって卑屈にならずに、明るい態度で査定士と価格交渉することをおすすめします。